パソコンを利用して自動計測制御

温湿度と二酸化炭素濃度のグラフ
温湿度と二酸化炭素濃度のグラフ

 パソコンを利用した自動計測制御では、大画面で高性能なパソコンを使えることで、グラフを表示したり、長期間の計測データを蓄積したり、高度な分析をしたりできます。

 その反面、費用が高くなりがちで、コンピューターウイルスへの感染やWindows Updateなどの通常のパソコンと同様のリスクと手間がかかり、場合によっては急に動かなくなる可能性もあります。

 ですので、パソコンを利用して自動計測制御を行う場合は、主幹部分はマイコンを使って実現し、グラフの表示や長期間のデータ蓄積、分析などだけをパソコンを使って実現するのがお勧めです。

パソコンを利用した自動計測制御の利点

  • 大画面でグラフの表示ができたり一覧性が高い
  • ハードディスクなどを使った長期間のデータ蓄積が可能
  • 高性能を必要とするデータ分析や統計や予測が可能

パソコンを利用した自動計測制御の欠点

  • コンピューターウイルスに感染することで急に動かなくなることがある
  • Windows更新などの定期的なメンテナンスが必要
  • システムが高価になりがち

パソコンを使った自動計測制御を実現するには?

 パソコンを使った自動計測制御を実現するには、アナログ計測装置やデジタルのインターフェースの知識が必要で、それに加えて「Visual Studio」などのパソコンのプログラム言語の知識と経験が必要です。

 アナログ計測装置やインターフェースの技術を習得するには、2年程度の「電子専門学校」または大学の電子工学科などに通うことが必要です。

 そして、パソコンのソフトウェアを開発するには2年程度の「コンピューター専門学校」での学習か、大学の「コンピューターサイエンス学科」などの履修が必要になります。

 こう考えると、パソコンを使った自動計測制御を実現するには少なくとも4年~6年程度の学習が不可欠ということになります。

パソコンを使った自動計測制御を外注する方法

 パソコンを利用した自動計測制御装置を実現するには、上で説明したようなハードウェアとソフトウェアの両方の知識と経験が不可欠です。

 更に、自動制御も実現するとなると、機械やメカトロニクスの知識と経験が必要になります。すると実現できる技術力を持っているのはパソコン、ソフトウェア、機械などの知識と経験を持った三菱、日立、東芝などの「総合家電メーカー」か、いわゆる「重電メーカー」だけになります。

 相手が中小企業の場合は、こういったメーカーに依頼するのは困難で、仮に引き受けてくれたとしても数千万円クラスの受注額にならないと相手にしてもらえないでしょう。

自動計測制御装置を外注する具体的な手順

  • ソフトウェアだけでなくハードウェアも可能な「システムハウス」を探す
  • 要求する仕様を漏れなく仕様書にまとめる
  • 見積を取る(ただし最終的に完成しないことも多い)
  • 発注する(ハードウェアがからむ場合は着手金を要求されることも多い)
  • 進行状況をこまめに確認する(担当者が退社すると頓挫する場合が多い)
  • 完成したシステムが仕様書通りか検査する

自動計測制御装置を外注する際の注意点

  • 要求仕様を実現する技術力があるかどうか確認する(結構難しい)
  • 進捗状況をこまめに確認する
  • 最終確認は経験豊富な第三者に依頼する

自動計測制御装置はパソコンで動かさない方が良い!

 何だか逆説的ですが、自動計測制御装置はパソコンで実現しない方が良いと思います。パソコンを使うと、相当高い技術力が要求され、外注するにしても外注先の選定や進捗管理や最終確認に多大な手間費用を必要とします。

基幹部分はマイコンを使う!

 基幹部分にマイコンを使うことにより、コンピューターウイルスなどへの感染は防げますし、Windows更新などの手間もかかりません。

 そして、基幹部分が突然動かなくなって業務がストップしてしまうことも防げますし、システム全体の費用を抑えることが可能です。

統計や分析にはパッケージソフトを使う!

 簡単な統計や分析ならば、Excelなどの一般的な表計算ソフトでも可能ですし、分析ソフトを使えば高度な分析も可能で、こうしたパッケージソフトは専用ソフトを開発するより1~2桁少ない費用で使うこともできます。

 特に近年はクラウドサービスを使えばパッケージソフトを購入する費用をかけずに、月々数千円~数万円程度の利用料で高度な分析ができるサービスも増えてきました。

パソコンを使うなと言うのは使えないからではない!

 私も以前、マイコンが高価でメモリーなども少なかった頃は、パソコンを使って自動計測システムを開発していました。

パソコン自動計測の目次
私が執筆したパソコン自動計測制御の記事の目次

 しかし、現在では、マイコンは高性能で低価格になり、SDカードなどの記録メディアの読み書きが簡単に可能で、記録メディアも256GBで5千円前後で買えるなど、当時のパソコンのハードディスク容量を大幅に上回る容量の記録メディアが鼻息で飛びそうなマイクロSDカードでも実現できてしまいます。

 こうして自動計測データを記録した記録メディアをパソコンにバックアップし、記録メディアそのものを保管することで二重にデータ棄損を予防することができます。

 拡張インターフェースも近年ではUSBで接続するのが一般的になり、わざわざ開発しなくても、高性能なインターフェースを安く買うことができます。

 もし、その製品が廃版になったとしても、ごくわずかな変更で同等品を使えますし、なにより故障しても簡単に交換できます。

 できればUSBも使わずにSDカードなどの記録メディアでデータの受け渡しをすれば、コンピューターウイルスなどへの感染によるシステムダウンや、ハッカーなどによる情報漏洩、落雷や漏電や火災などによりパソコンが壊れたりデータを失うこともなくなります。

 物理的に接続されていないもののデータは、どんなに優秀なハッカーでも手の出しようがありませんし、マイクロSDカードなどを耐火金庫に入れておけば、火災や地震の際にもデータは安全に保たれます。

シーケンサーを使うのもアリ!

 マイコンに抵抗がある場合は、シーケンサー(プログラムロジックコントローラー)を使うのもアリです。最近のシーケンサーは、センサーなどを簡単に接続できるアナログ入力が充実していたり、EthernetなどのLANで簡単にパソコンと接続できるものも少なくありません。

 最低でも最新型のシーケンサーはUSBを備えていて、パソコンと簡単に接続できるようになっています。

 ただし、パソコンと常時接続されているシーケンサーを使った場合は、コンピューターウイルスやハッカーなどによるシステムダウンや情報漏洩を心配する必要があります。

シーケンサーのメトリー(執筆時点で17社のシーケンサーを網羅)

こんなはずではなかった!を防ぐために

 自動計測制御システムでは、幅広い知識と経験が必要になります。御社にそういった技術者が居れば、何も言うことはないのですが、そうでない場合、多額の費用と長い期間をかけた結果、うまく行かなかったなんて話も良く聞きます。

 シーケンサーを使った自動計測制御を計画されている方には、私が講師をさせていただいている専門学校の教え子も多く就職していて、信頼のおける講師仲間でもある、河政工業株式会社をお勧めします。

 私自身は、一人でやっていることもあり、全国的な対応や複数による継続したサポートが困難なので、全体のコンサルティングや御社の技術者のサポートであれば可能です。